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【医療情勢】歯科との連携で副作用対策
目次
毎日のセルフケアの注意点とは
また、がん治療中は歯科医師による治療のほか、自分でできる日ごろのケアも重要です。まず、毎日の歯磨きはできるだけ粘膜を刺激しない道具を使うようにしましょう。歯ブラシはヘッド部分が小さく、毛の柔らかいタイプが適しています。その方が、奥歯まで届きやすく、粘膜に当たりにくいからです。
また、歯磨き剤はスクラブ等の入っていない刺激の少ないものを選びましょう。口の中が荒れている場合は、水だけで磨いた方がいいこともありますから、状況に応じて、しみたり清涼感が強すぎたりしないように工夫することが大切です。
磨き方は、あまり力を入れずに、歯茎や粘膜を傷つけないように注意しながら、歯の表面、歯と歯の間の汚れを丁寧に除去します。口内炎があったり、歯ぐきが炎症を起こしている場合は患部に鎮痛剤を塗るなどの対応も必要になりますから、歯科医師や歯科衛生士に相談し、悪化させないように注意しましょう。
歯磨きだけでなく、口の中の保湿も大切
歯磨きと並んで大切なのが、口の中の保湿です。放射線治療を受けた患者さんは唾液が出にくく、口の中が乾燥しやすくなります。乾いた状態が長く続くと、虫歯のリスクが高くなるため、意識的に口の中を保湿する必要が出てきます。
基本は、こまめなうがいです。乾燥の度合いにもよりますが、食事のあとの歯磨きとは別に、1日3回(もしくは2~3時間おき)程度うがいをして、口の中をいつも湿らせておきましょう。
うがいの際に洗口液を使う場合は、ノンアルコールタイプのものを選んでください。歯磨き剤と同様に、粘膜への刺激の少ないものが適しています。大きめのドラッグストア、もしくは介護用品を扱っているお店に行けば、口内の保湿専用のスプレーやジェル、洗口液などが市販されています。通常の水よりも長時間にわたって保湿することができますから、使用を検討するのもいいでしょう。
家族や周囲の人による口腔ケア
なお、高齢の患者さんや、自分で歯が磨けない状態の患者さんの場合は、家族や周囲の人がケアをすることになります。その場合は歯の清掃だけでなく、舌や頬の内側の粘膜も含めて、きれいに掃除しましょう。市販のスポンジブラシを使用すると便利ですが、ない場合は、薄いゴム手袋を着けた指に脱脂綿を巻き、口の中を優しくぬぐい取るようにケアをします。汚れが取りにくい部分等がある場合は、看護師に相談しましょう。
毎日、口の中をきれいにしているかどうかは、治療の予後に大きく関わります。ぜひ、積極的に取り組んでみてください。
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タグ2013年3月