知っておきたい治療費のこと~保険外併用療法

公開日:2011年02月26日

目次

日本の公的医療制度知ってますか?

保険診療と自由診療の混合禁止とその例外

日本の公的医療保険制度では原則として、保険診療と自由診療は同時に受けられないことになっています。このことを混合診療の禁止といいます。一連の保険診療において保険の適用となっていない診療・治療を一つでも受けた場合は、その保険診療は保険適用されず全て皆さんの負担となります。(図1参照)

しかし、例外がありいくつかの厚生労働大臣が定める場合に限り保険診療との併用が認められており、これを保険外併用療養費制度といいます。

なぜ混合診療は禁止されているのですか?

医業経営用語辞典によると混合診療とは、「一患者に対する一連の医療行為で保険診療と自由診療を併用すること.最近では「保険診療と保険外サービスの併用」「公的保険の定めた価格(報酬)の上乗せ価格」という意味でも使われている.」とされています。

例えば、「ある治療部分は医療保険で行い、また保険で認められていない医薬品を自費で支払う」というように、保険負担と自費負担が混在する混合診療を日本では禁止しています。

その大きな理由は、自費負担の割合が増えてくると財力の裕福な人のみが高度な医療をうけることができ、何時でも何処でも誰でも保険証で医療が受けられるという国民皆保険制度の崩壊に繋がると考えられるからです。

保険適用の医療と保険適用外の医療

図1 保険適用の医療と保険適用外の医療(自費診療)を併用すると、
3割負担で済んでいた保険適用部分も全額自費診療となります。

例外として保険診療との併用が認められているものは?

厚生労働大臣が定める場合に限り保険診療との併用が認められる制度を保険外併用療養費制度と言い、新しく高度な診断や治療で普及度が低い医療技術や医薬品・医療機器に係る「評価療養」と入院時の個室や予約診察などどちらかというと患者さんの快適性、利便性などに関わる「選定医療」があります。(図2を参照)

図2 保険外併用療養費制度

医療費総額100万円の内訳

評価療養の中でも特に先進医療は、再発・転移の患者さんにとって、保険診療を残したまま、新しい治療をうけられる制度となっています。たとえば、抗悪性腫瘍剤感受性検査(HDRA法又はCD-DST法)では、進行がん患者から手術等によって摘出した腫瘍組織を使い、個々の患者の癌の薬剤感受性を試験で検査して、最も適切な治療薬を選択することができるようになります。また、最近注目されている重粒子線治療では、今までの放射線治療とは異なる重粒子線(炭素イオン線)を体外から病巣に対して照射する治療法です。保険診療との併用を行う場合、通常の治療と共通する部分(診察・検査・投薬・入院料など)の費用は一般の保険診療と同様に扱われその部分については一部負担金を支払うこととなります。そして残りの額は「保険外併用療養費」として健康保険から給付が行われます。

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