【トピックス】2020年に向け東京都の受動喫煙対策が前進

公開日:2018年4月27日

東京都の医師ら60人が街頭署名活動

東京都医師政治連盟の東京都受動喫煙防止条例に関する街頭署名活動が4月8日、JR有楽町駅前で行われ、医師ら約60人が街頭に立ちました。

この日はよく晴れた日曜日とあって、多くの人が買い物や散歩に有楽町を訪れました。医師らは「受動喫煙防止対策をよりいっそう推進していくために、原則、屋内全面禁煙をさらに徹底し、都民の健康を守る条例が必要。2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでに受動喫煙をなくしましょう」などと、通行人に署名を呼びかけました。午後1時から約2時間で507人が署名しました。

近年のオリンピック・パラリンピック開催都市では、屋内を全面禁煙にするなど、法律や条例で罰則を伴う受動喫煙防止対策を講じており、スモークフリー(タバコの煙のない環境という意)への取り組みは世界の潮流になっています。日本は、厚生労働省が禁煙・受動喫煙に関する法整備を進めていますが、地方公共団体と足並みがそろうにはまだ時間がかかりそうです。

街頭署名活動に取り組む医師たち

政府は3月9日、受動喫煙対策の強化を盛り込んだ「健康増進法」の改正案を閣議決定しました。

  • ・望まない受動喫煙をなくす
  • ・受動喫煙による健康被害が大きい患者や20歳未満の人などが利用する施設や屋外では受動喫煙対策を一層徹底する
  • ・掲示の義務付けなどの対策を講じる

が改正の主な趣旨です。

国の動きに対する都道府県など自治体の対応が注目されています。

東京都は2月の定例会に条例案を提案し、都議会で議論が行われる予定でした。しかし、国の法案との整合性が取れなくなるという懸念から先送りになりました。

整合性のずれが指摘されているのは、「禁煙となる施設」として東京都の案は医療機関や学校は「敷地内は全面禁煙」であるのに対して、厚労省の案は「敷地内禁煙」としながらも「屋外に喫煙場所を設置するのは可能」として、東京都の案に比べて規制が甘くなっている点です。

具体的には、病院などの医療施設、学校、行政機関は敷地内を禁煙にし、飲食店やホテルは原則として屋内禁煙にする方針です。「原則」となっているのは、完全に煙が外に漏れない喫煙専用室を設ければ喫煙が可能となるからです。

また、「個人経営か資本金5000万円以下」で「客席面積100平方メートル以下」の小規模の飲食店については、「喫煙可」などと表記をすれば喫煙が可能になります。これに対して、適用除外が広すぎるのではないかと疑問の声も上がっていました。

国より早く受動喫煙防止条例を施行している神奈川県(2010年施行)と兵庫県(2013年施行)でも「客席面積で100平方メートル以下」は対象外となっています。

東京都の受動喫煙防止条例については、6月の東京都議会の定例会で条例案が議論される予定です。

東京都・子どもを受動喫煙から守る条例施行

東京都は「子どもを受動喫煙から守る条例」を4月1日に施行しました。

同条例は、子どもは自らの意思で受動喫煙を避けることが困難であり、保護の必要性が高いとの考えから、18歳未満の子どもを守るべき対象とし、すべての子どもが安心して暮らせる環境の整備は社会全体の責務としています。

たとえば、「喫煙する人は、家庭内でも子どもと同じ部屋や子どもが乗っている車の中では喫煙しないよう努めなければならない」となっています。また、公園や広場のほか、学校や児童福祉施設、小児科などの診療所の周辺の路上でも受動喫煙の防止に努めるよう求めています。

また、保護者に対しては、受動喫煙を防ぐ措置がとられていない施設や、飲食店などの喫煙専用の室内に子どもを立ち入らせないように努めることも求めています。条例には、火を使わない「加熱式たばこ」も含まれています。

東京都はほかに、2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでに、受動喫煙対策を強化する独自の条例(罰則付き)の制定を検討しています。

東京都医師会(尾﨑治夫会長)、東京都歯科医師会(山崎一男会長)、東京都薬剤師会(石垣栄一会長)、東京都看護協会(山元恵子会長)の4団体は、「2020年のオリンピック・パラリンピックまでに受動喫煙をなくしましょう」と、未成年者も含む全国民を対象に、東京都受動喫煙防止条例に関する賛同を求める署名活動を行っています。

署名用紙は東京都医師会ホームページ(https://www.tokyo.med.or.jp/7963)からダウンロードするか、電子署名でも受け付けています(5月11日必着)。

※掲載している情報は、記事公開時点(2018年4月27日)のものです。