【医療情勢】リレー・フォー・ライフ・ジャパンで元気をもらう。

公開日:2013年11月5日

患者会の活動が積極的になっています

 現在、日本には数百の患者会があると言われています。これは2006年に成立した「がん対策基本法」をきっかけに、患者さん自身が情報収集に積極的になってきたことと、医療者側のコミュニケーションなどに対する意識が変わってきたことがあげられるでしょう。患者本人や家族が相互扶助の考え方で取り組んでいるものも多く存在していますが、事務局に常勤の専門のスタッフを置いているような少し大きな団体も存在しています。

 このような団体は、目的を明確化して情報をオープンにしているところも存在しています。患者会の多くは会報の発行、医療者を呼んでの勉強会、患者同志の交流などを主な活動内容にしています。患者さんにとっては、病院に通うだけでは得られない情報を得ることができるのがメリットと言えるでしょう。また、最近では医療者が治療選択を検討するためのガイドラインを作るとき、患者会の代表者も意見を述べる機会も増えてきたようです。

 いままでは医師が中心で科学的な知見を基に治療のガイドラインを決めていましたが、患者本人や患者支援団体の関係者が入ることによって、QOLの維持などを含めた広い選択ができるようになろうとしています。

リレー・フォー・ライフ・ジャパンの取り組み

 リレー・フォー・ライフとは、がんに立ち向かう患者さんを中心に、その家族、地域の医療者や支援者が集まって、日々の思いや体験を語り合い、チームでリレーをしながら24時間歩くイベントです。24時間歩くという行為は、「がんは 24時間、眠らない」そして、「がん患者は 24時間、がんと負けずに闘っている」というメッセージから始まっています。

 今年の9月14日~15日に渡ってリレー・フォー・ライフ・ジャパン2013(東京・上野)が開催されました。このイベントの様子を取材しました。当日は9月の中旬にもかかわらず、真夏のような日差しでとても暑い会場となりました。今回は全部で82チームの参加があり、各チームはそれぞれの旗に自分たちの思いを印していました。会場にはステージが設置されており、司会者が会を進行させていきます。

 開会式の後には、歌手のすがわらやすのりさん、作曲家の平尾昌晃さん、バレーボールの三屋裕子さん、湘南ベルマーレの久光重貴さんなどの著名な方たちも登場して会場を盛り上げました。また、名誉実行委員長のアグネス・チャンさんからもメッセージもありました。
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がんサバイバーからの様々な思いが書き込まれた大きなメッセージボード


リレーフォーライフジャパン2013_02
「イベントを広げるためにTVでもPRしてきた~」と語るアグネスさん

 

 現場でリレー・フォー・ライフ・ジャパン2013(東京・上野)の実行委員である岡本さんに話を伺うことができました。

 「このイベントは1985年にワシントンで外科医のクラットさんがマラソンで寄付を集めたことが始まりとされています。翌年からチームでマラソンをするリレー方式になり、世界各地に広まりました。日本でのイベント開催もアメリカの対がん協会が定めた国際ルールに従っています。啓発活動の結果も実りながら、徐々に大きなイベントに成長していっています。 そして、このイベントはがん患者さんの様々な思いが色々な所に込められています。がんサバイバー同志の同窓会の意味合いも持っています。今年もこの場所で会えたね!と喜びあう方たちもいらっしゃいます。続けることによって意義も大きくなってきました。」

 岡本さん自身もケアギバーであるため、イベントに対して非常にコミットしている姿を見ることができました。リレー・フォー・ライフ・ジャパンの特徴としては、しっかりと寄付を集めているところにあります。そして寄付したお金を4つの目的に使っています。 

1.基礎研究を中心とした研究への交付
2.検診率のアップ
3.がん専門医の育成
4.電話による相談ホットライン

   基礎研究や若手医師を育てることはやがて患者さんにとって大きなメリットになって返ってくるでしょう。このような活動を支援することも日本のがん治療の現状を変える一歩になると言えそうです。

気になる患者会ができたら

 再発・転移のある患者さんが初発の患者さんと交流することが必ずしも良い結果になるとは限りません。入会したけど、あまり積極的になれなかった。とならないためにも、進行度が近い患者さん同士の交流ができるか、会のスケジュールやイベントに気に入ったものがあるか確認することが大切です。

 気に入った患者会へ参加することができれば、より実践的な情報が収集できたり、同じ病気の方とコミュニケーションをとることができるでしょう。治療を継続して続けていくための力になることもあるはずです。参加する患者会の情報は、その患者会のホームページにも掲載されている場合も多いですし、病院の医師・看護師さんなどが紹介をしてくれる場合もあるでしょう。一つの選択肢として参加を検討してみることもよいかもしれません。

※掲載している情報は、記事公開時点(2013年11月5日)のものです。