【最新医療】がんと雇用保険~長期療養でも失業給付を受給できる~

公開日:2013年2月1日

雇用保険の基本手当は1日あたり数千円

がんの患者さんのなかには、治療や療養のために仕事を辞めたり、長期にわたって休職せざるを得ない方が少なくありません。治療費がかさむうえに収入が減り、先々に不安を抱えたとしても無理からぬことです。なにか経済的な保障はないかと思われる方も多いのではないでしょうか。

離職後の経済的な保障では、「雇用保険」の基本手当(失業給付)が代表的です。一般に「仕事を辞めたあとは失業保険をもらう」という言い方があるように、かつては「失業保険法」という法律によって定められていました。1974年に「雇用保険法」に改正されたため、現在は雇用保険といいますが、どちらも同じ制度を指しています。

雇用保険は、いくつかの条件を満たしていれば、離職後から一定期間、日額数千円の手当を受給することができます。基本手当の金額は、会社でもらっていた賃金や年齢に基づいて決まり、下記のように上限額が定められています。

基本手当日額の上限額

30歳未満 6,440円
30歳以上45歳未満 7,155円
45歳以上60歳未満 7,870円
60歳以上65歳未満 6,759円

(平成24年8月1日現在)

この基本手当日額を何日間もらえるかは、90~360日までと幅があります。年齢や離職理由、離職時期、被保険者期間などによって実にケースバイケースのため、ハローワークに確認するとよいでしょう。たとえ90日間でも手当を受けることができれば、がんで療養中の方にとって、大きな支えになることでしょう。

受給できる期間は離職後1年間と短い

ただ、受給にあたってはいくつかの注意点があります。
まずは受給条件です。雇用保険の基本手当は、離職日以前の2年間に雇用保険の被保険者だった期間が12ヶ月以上ある人が対象です。加えて、「労働の意思および能力があること」が条件になっています。あくまで就労が可能な人の休職活動中の生活費や、休職にかかる費用をサポートする制度と位置づけられているのです。
そのため、がんの治療中や治療後すぐなど、働くことができない期間においては受給することができません。

また、もう1つの注意点として、受給期間の問題もあります。
基本手当を受給できる期間は、原則として「離職の日の翌日から1年間」と定められています。その間に受給しなければ、受給資格が失われてしまうのです。
「意外と短い」と思われた方も多いのではないでしょうか?初発がんであれば短期入院や通院治療で終わって、そう期間をおかずに仕事を再開できるかもしれませんが、再発や転移の患者さんは治療に1年以上かかることもあります。
1年以上の長期間の療養を必要とする方の場合、そのままにしていると、治療を終えて再び仕事をしようと求職活動を始めても、「すでに失業給付の受給期間が終わっていた」ということになってしまいます。