【医療情勢】癌と就労ver2

公開日:2012年10月01日

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産業医が仕事と治療を支えてくれるケースも

また、産業医の協力のもと、仕事と治療の両立を図る企業も現れています。産業医というと、うつ病などのメンタルヘルスを対象とした医師というイメージがあるかもしれませんが、中には主治医と連携して患者さんの就労を支えてくれる医師もいるのです。産業医科大学では、「産業医向けがん就労支援マニュアル」の作成にも着手しており、今後、専門知識を有して就労支援を行う産業医の増加が期待されています。

ほかにも育児や介護をする社員のための短時間勤務制度を、がんなどの病気に広げている企業もあります。時短勤務が可能であれば、朝、抗がん剤治療のために病院に立ち寄ることもできますし、通勤ラッシュの時間帯を避けるなど体への負担を軽減できます。

ただ、このようなきめ細かい支援は、マンパワーのある大手企業に限定されているのが現実です。産業医の配置は、従業員50人以上の事業所に限られ、人員の少ない中小企業は対象になっていません。少人数の企業では就労支援を行いたくても、マンパワー不足によって実現できないケースも珍しくないのです。

 

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