【医療情勢】癌と就労ver2

公開日:2012年10月01日

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被雇用者の4人に1人が仕事を失っている

がんの患者さんの5年生存率が50%を超え(国立がん研究センターがん対策情報センター調べ/平成12~14 年診断例)、がんは日常生活を送りながら長期にわたって“付き合う”病気となりました。治療技術の向上によってがんの外来治療も一般化し、仕事を続けながら治療する患者さんが増えています。

山形大学医学部がんセンターなどが行った「がん患者の就労支援・社会復帰に関する調査」(2011年、山形県内のがん診療連携拠点病院の患者約1200人が対象)によると、自営業者の58.9%が、がんと診断される前と同じ事業や仕事に復帰していました。企業などに勤めている被用者では43%が職場復帰しています。

ただ、被用者は依願退職する割合が高く、会社正規職員の約4人に1人(24%)が定年退職以外の理由で失職していることがわかりました。いわゆる非正規雇用者ではさらに割合が高く、派遣・契約・嘱託で32%、パート・アルバイトでは37%にのぼります。

この背景には、がん患者の仕事継続に対する事業主の理解や支援が十分でない問題があると考えられています。会社正規職員は73%が「仕事継続に対する事業主からの理解・支援が十分得られた」としており、4%が「得られなかった」と回答しています。派遣・契約・嘱託の場合はいっそう状況が厳しく「十分得られた」は52%でしかなく、「得られなかった」との回答が15.2%と高い数値を示しました。

治療によって仕事が失われることは、患者さんの家計を直撃するだけでなく、生きがいや社会的役割をも同時に失います。QOLを保つためにも、就労支援は社会的な重要課題であるといえるでしょう。

 

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