【QOL(生活の質)】かかりつけ医と専門医を上手に使い分け!

公開日:2012年06月01日

目次

「病院」と「診療所」の違いを知って、うまく使い分けましょう!

「病院」とは、医師が公衆又は特定多数の人のため医業を行う場所と定義され、病床(ベッド)数20床以上の入院施設(病棟)を持つものをいいます。無床(ベッドがない)もしくは19床以下のものは診療所と呼ばれ、「~医院」「~クリニック」などと名乗っているところが多くあります。多くの病院は、医療法の非営利原則に基づいて存在しています。地方公共団体、独立行政法人、事務組合や日本赤十字社など公的組織以外には、医療法人(他には各大学医学部の付属病院(大学病院)、社会福祉法人、宗教法人、協同組合など)を中心とした非営利組織(公益法人)にしか設立できません。
病院の中でもがん診療連携拠点病院は、既存の病院の中から都道府県知事が推薦し、厚生労働省が認可する形で指定されています。がん治療において地域の中心的な役割を果たしています。

1、 独立行政法人国立がん研究センター中央病院及び東病院
特に、他のがん診療連携拠点病院への支援、並びに専門的医師等の育成等を担うことを役割とされています。

2、 地域がん診療連携拠点病院
診療体制、研修体制、情報提供体制の3項目が指定要件に盛り込まれています。各都道府県の中で、2次医療圏に一カ所程度を目安に整備されています。

3、 特定機能病院としてのがん診療連携拠点病院
地域がん診療連携拠点病院の指定要件に加えて、腫瘍センター等の設置や他のがん診療連携拠点病院への医師の派遣に関する要件が盛り込まれています。

4、都道府県がん診療連携拠点病院
地域がん診療連携拠点病院の指定要件に加えて、がんを専門とする医療従事者への研修の実施や都道府県がん診療連携協議会の設置などに関する要件が盛り込まれています。各都道府県に概ね一カ所整備されています。

図表2














診療所では、今年度の診療報酬改定において新たに「機能強化型在宅支援診療所・在宅支援病院」(機能強化型在支診・在支病院)が導入されました。24時間対応したり、緊急時に対応したりすることによって、その医療機関が保険制度から今までより報酬を得られるというしくみです。制度の名称に「強化型」とついているのは、医療機関同士の連携を推奨して機能を強化し、在宅医療に対応する医療機関を増やす狙いがあります。がん治療などにおいても在宅医療ができる診療所が増えると考えられています。
機能強化型在支診・在支病院は、次の3つの条件を満たすことで認められます。

(1)常勤医師3名以上
(2)過去1年間の緊急の往診実績5件以上
(3)1年間の看取り実績2件以上

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