【最新医療】進化した放射線治療

公開日:2012年10月01日

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身体機能へのダメージが少なく、患者のQOLに貢献する治療法

がんの治療は日進月歩ですが、なかでも放射線治療の領域は著しい進歩を遂げています。これまでは手術の補助的な役割、もしくは重症で他に選択肢がない場合の治療法とみなされてきましたが、最近では手術に匹敵するほど高い治療効果が得られるケースも増えてきました。手術と違って臓器を切り取ることがないので、身体機能へのダメージが少なく、治療後の後遺症や合併症が少ないメリットがあります。

特に、手術によって会話ができなくなる舌がんや、喉頭がん、排尿や性機能が失われる前立腺がんの患者さんには大きな希望をもたらしてくれます。乳がんの乳房温存術に放射線治療が併用されることも多く、QOLの維持にも貢献する治療法なのです。

 放射線治療の治療効果を高めているのは、「高精度放射線治療」の普及です。通常の放射線治療は、がん細胞だけでなく周辺の正常細胞にまで放射線が当たるため、合併症を引き起こしやすいと言われていましたが、高精度放射線治療はピンポイント照射が可能です。がん細胞に効率よく放射線を当てることができるため、治療効果が高く、患者さんの負担も軽減されるのです。

 

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