化学(抗がん剤)療法

公開日:2011年02月25日

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『 化学(抗がん剤)療法 』

化学物質(抗がん剤)を用いてがん細胞の増殖を抑制し、破壊する治療法です。抗がん剤は静脈注射や服用によって血液に流れ込み、全身のがん細胞を攻撃し破壊します。『手術療法』や『放射線療法』が局所的な治療なのに対して、『化学(抗がん剤)療法』は全身に効果があるため、ほとんどのがん治療で利用されています。
『手術療法』や『放射線療法』の補助療法として、転移しているがんを縮小させる目的で利用されたり、手術ができない部位、放射線を照射できない部位の治療にも利用されます。

『化学(抗がん剤)療法』の効果は、がんの症状によって異なります。急性骨髄性白血病、悪性リンパ腫、小児悪性腫瘍などで効果が高いといわれています。片方で甲状腺がん、大腸がん、腎臓がん、肝臓がん、すい臓がんでは効果が低い傾向にあります。

抗がん剤について

薬には一般的に「効果」と「副作用」があります。私たちが日常服用しているかぜ薬などは、効果が強く、副作用はあったとしても軽微です。けれども、抗がん剤の場合は「効果」、「副作用」が同等、場合によっては、「効果」より「副作用」のほうが強いというケースもあります。もちろん、副作用を軽減する努力はおこなわれていますが、完全に副作用をなくすことはまだできていません。これは、抗がん剤が一般の薬と違い、効果と副作用の幅が狭いためです。

もちろん副作用の度合いは症例によっても違いますし、個人差もあります。進行した難治性のがんでは副作用のほうが目立つケースも少なくありません。

化学(抗がん剤)療法を受ける前に

化学(抗がん剤)療法を開始する前に、主治医は患者さんへ治療の説明をします。これから治療を受ける方は、どのような薬を内服、もしくは静脈注射するか、その薬の持つ効果、副作用や、治療スケジュールなどに関して充分ご理解・ご納得頂いたうえで受診するようにしましょう。

化学(抗がん剤)療法における医学の進歩

がん細胞だけを攻撃する抗がん剤の研究は進んでいますが、広く実用化されている段階ではありません。近年では、『分子標的治療』が注目を集めています。これは従来の抗がん剤のように細胞を攻撃するのではなく、がん細胞の増殖や転移にかかわっている分子のみを攻撃する治療法で大きな効果も上がっています。けれども当初想定していなかった未知の分子が標的となり、生命にかかわる大きな副作用が発生する可能性も指摘されています。

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