【最新医療】肺がん治療に新たな展望ALK阻害剤

公開日:2012年06月01日

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ファイザー社における臨床試験の結果

FDAによる今回のXALKORIの承認は、ALK融合遺伝子陽性の局所進行または転移性NSCLC患者さん255例のデータに基づくものです。これらの患者さんは、2つの多施設共同・単群試験に参加しており、これらの試験は、第2相試験(PROFILE 1005)と第1相試験(1001試験)の拡大コホート(*1)でした。いずれの試験においても、有効性の主要評価項目は、「固形がんの効果判定基準」(RECIST Response Evaluation Criteria in Solid Tumors)に基づく客観的奏効率(ORR)でした。効果判定は、治験責任医師によって評価され、奏効の持続期間(DR: Duration of Response)も評価対象となりました。 *1)拡大コホート=ここでは、第1相試験で推奨使用用量設定後、特に安全性と一部有効性をみるために症例数を増やした患者群のこと(原文上では注釈なし)。

PROFILE 1005(n=136)における、治験責任医師の評価に基づくORRは50%でした。これには、1例の完全奏効と67例の部分奏効が含まれます。治療期間の中央値は22週間でした。完全奏効または部分奏効が確認された患者さんの79%では、治療開始後8週間で腫瘍の縮小がみられました。DRの中央値は41.9週間でした。

1001試験(n=119)において、治験責任医師の評価に基づくORRは61%でした。これには、2例の完全奏効と69例の部分奏効が含まれます。治療期間の中央値は32週間でした。完全奏効または部分奏効が確認された患者さんの55%では、治療開始後8週間で腫瘍の縮小がみられました。DRの中央値は48.1週間でした。

上記2つの試験において最も多く見られた副作用(25%以上)は、視覚障害、悪心、下痢、嘔吐、浮腫、および便秘でした。少なくとも4%の患者さんに見られたグレード3または4の副作用として、ALT上昇および好中球減少症がありました。

ファイザー社のプレスリリース
(http://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2011/2011_09_02_02.html)

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