【医療情勢】「専門医」と聞いて何をイメージしますか?

公開日:2013年08月30日

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専門医と聞くと何を連想しますか?

患者さんがイメージする専門医像皆さんは専門医と聞くと何をイメージするでしょうか。神の技をもつスーパー外科医や、病気のことなら何でも知っている完璧な医師を思い浮かべるかもしれません。しかし、実際の専門医という名称は各病気に関する学会が独自の方針で制度運用をしており、認定基準は統一されておらず、〇〇専門医という名称に抱く患者さんのイメージと実際の医師の能力についてギャップがあることが指摘されています。 専門医の名称と実態は医療従事者の中では通じているのかもしれませんが、患者さんには分かりにくいのが現状でしょう。例えば、日本にはがんの学会だけでもかなりの数が存在しています。



▽日本癌治療学会/がん治療認定医
▽日本臨床腫瘍学会/がん薬物療法専門医
▽日本乳癌学会/乳腺専門医
▽日本消化器外科学会/消化器がん外科治療認定医/
▽日本肝臓学会/肝臓専門医

など。少し例を挙げただけでも色々な学会と認定医制度が存在しています。専門医という制度はまだまだ患者さんにとって分かりやすい状況にはなっていません。認定している学会ごとに基準もまちまちですので、専門医・認定医という言葉に惑わされずに医師を選ぶことも大切です。ここのような状況をふまえて、厚生労働省は2017年度にも、認定基準を統一して、一つの組織で専門医を認定する仕組みに変えようと検討を進めています。

病院やクリニックの広告は規制されています。

病院や診療所は患者さんの混乱を避けるため、比較広告や誇大広告などを禁じられています。厚生労働省は医療の広告に関する制限をかけているのです。厚生労働省が示しているガイドラインには下記のようなことが具体例とし示されています。

・加工・修正した術前術後の写真等の掲載
・「当院では、絶対安全な手術を提供しています」
・「どんなに難しい症例でも必ず成功します」
・「一日で全ての治療が終了します」(治療後の定期的な処置等が必要な場合)
治療後の定期的な処置等が必要であるにもかかわらず、全ての治療が一日で終了するといった内容の表現を掲載している場合には、内容が虚偽にわたるものとして取り扱うべきであること。また嘘とまではいかないけれども、内容が誇大なもの又は医療機関にとって都合が良い情報等の過度な強調も具体例が示されて規制がかけられています。

「任意の専門資格、施設認定等の誇張又は過度な強調」として、「当然の事実等の誇張又は過度な強調や、活動実態のない団体による資格認定の名称、当該医療機関の機能等について国民・患者を誤認させるような任意の名称は、国民・患者を不当に誘引するおそれがあることから、ホームページに掲載すべきでないこと。」と規定されています。

・「○○協会認定施設」(活動実態のない団体による認定) 客観的かつ公正な一定の活動実績が確認される団体によるものを除き、当該医療機関関係者自身が実質上運営している団体や活動実態のない団体などによる資格認定や施設認定を受けた旨については、国民・患者を不当に誘引するおそれがあり、内容が誇大なものとして取り扱うべきであること。

病院のホームページなどはこういった規制に基づいて作られています。いくつかの病院ホームページをみてみると、医師紹介欄に略歴(卒業した大学や、卒業した年齢、どういった学会に所属しているのか、専門医の資格)が記されているのがわかります。この専門医のところを見てみると、〇〇学会認定〇〇専門医となっていると思います。

〇〇医師 〇〇大学卒業
▽日本内科学会専門医
▽日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 がん治療認定医

〇〇医師 〇〇大学卒業
▽日本消化器外科学会 消化器がん外科治療認定医
▽日本外科学会専門医

どこの学会が認めている専門医なのか記されています。こういった記載がなく表示している場合は注意が必要です。

「がん治療認定医」と「がん薬物療法専門医」

がん治療を専門に扱う病院には、よく「がん治療認定医」と「がん薬物療法専門医」と記されているのを目にすると思います。「がん薬物療法専門医」とは日本臨床腫瘍学会が認定する専門医資格で、「がん治療認定医」は日本がん治療認定医機構が認定する専門資格です。 「がん治療認定医」のほうは、がん治療をするための基礎的な知識・技術があって、専門医の指導のもと標準的治療を行える医師のことでしょう。

「がん薬物療法専門医」は、薬物療法(抗がん剤、分子標的治療薬、ホルモン療法など)に対する基礎的な知識と技術を持つことはもちろんのこと、専門的治療にも知識や技能があり、海外での研究にも目を向けている医師といったイメージを持てると思います。それぞれの団体に認定要件が記されています。しかし、あくまでも目安として本当に自分にとって必要な治療とは何かを考えて医師とコミュニケーションをとることが大切でしょう。

がん治療認定医(日本がん治療認定医機構)
http://www.jbct.jp/sys_auth_outline.html

薬物療法専門医(日本臨床腫瘍学会)
http://www.jsmo.or.jp/authorize/kisoku.html

※掲載している情報は、記事公開時点のものです。