【医療情勢】がん対策 都道府県で広がる格差~地域行政で個別化が進んでいる~

公開日:2012年06月29日

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都道府県ごとの「がん対策推進計画」にも格差が

各都道府県は、患者やその家族、遺族の視点を踏まえたうえで、実効性のある「がん対策推進計画」を策定することが義務づけられています。同計画は07年に閣議決定した国の「がん対策推進基本計画」に基づいて内容が決められることになっており、各都道府県でさまざまな計画が作られてきました。ただ、県の間で計画の完成度には大きな格差があると言われ、一部、独自性のある計画を策定した県に注目が集められています。

例えば、島根県は県をあげてがん対策に積極的に取り組んでいます。「がん対策推進計画」の策定も全国初で、国の「がん対策推進基本計画」が示した以上の目標数値を設定しました。がん死亡率は10年間で男性26%、女性20%の引き上げを目指し、専門医の増員にも力を入れています。07年当時は0人だったがん薬物療法専門医を5年間で12人に増やし、4人だった放射線治療認定医数は8人に増やすことにしたのです。

また、06年に全国で初めての「がん対策推進条例」を制定し、がん対策を重視した予算配分を推進してきました。09年からは、患者や家族ががんの理解を深めるための「がん患者塾」の開催や、がん相談員の育成強化にも予算がつけられています。

島根県でがん対策の気運の高まった背景には、島根難病研究所が中心となって行った「がん対策募金」があります。バナナ1袋の購入につき6円が募金されるなどユニークな方法で、07年度からの3カ年で計6億7000万円が寄せられたとされています。

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