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正しくがんを知ろう-再発・転移性肺がん ガイドライン解説
目次
がんの治療方法の選択は、患者さんと医師が話し合って決められます。その際、“案内役”として活用されるのが、がん関連学会が作成しているガイドラインです。肺がんの場合は、日本肺癌学会の「肺癌診療ガイドライン」に沿って、患者さんに適した治療が選ばれます。 ガイドラインを理解するには、まず、自分の身体の状態を正しく把握しておくことが大切です。ここでは、あらためて肺がんの広がり方、標準的な治療そして新しい治療法まで解説していきます。
肺がんの再発・転移の分類
肺がんにおける再発・転移
がんは、放っておくと徐々に広がっていく病気です。近くの臓器に直接がん細胞が広がっていくことを「浸潤」、手術のあと再びがんができることを「再発」といいます。再発には、もともとがんがあった臓器に再びがんができる「局所再発」と、離れたところにあるほかの臓器にがんができる「遠隔再発」があります。遠隔再発は、いわゆる「転移」と同じ意味で、手術で取りきれなかったがん細胞が、リンパ液や血液に乗って全身に運ばれたり、臓器を包む膜を突き破って身体のなかに散らばったりします(表1参照)。 肺がんは、がんのなかでも再発や転移が起こりやすく、特に骨や脳、肝臓、副腎、リンパ節などに転移しやすいといわれます。
表1 肺がんが転移する4つのルート
・リンパ行性転移 がん細胞がリンパ節に入り込み、リンパ液にのって全身に運ばれ、遠くの臓器のリンパ節に転移する。 |
・血行性転移 がん細胞が血管に入り込み、血液にのって全身に運ばれ、遠くの臓器に転移する。 |
・播種性転移 進行したがん細胞が胸膜を突き破って身体のなかに散らばり、ほかの臓器に転移する |
・気腔転移 がん細胞が、肺胞上皮(肺胞を囲む膜)からはがれおちるように散らばり、空気の通り道に広がる |
図1 肺がんのタイプ分類 図2 肺がんが転移するルート
肺がんは、がんのできた場所やかたちなどによって、「非小細胞肺がん」と「小細胞肺がん」の2つに分類されます。非小細胞がんは肺がん全体の85〜90%にあたるタイプで、さらに「腺がん」「扁平上皮がん」「大細胞がん」に分けられます。一方、小細胞がんは、その名の通り小さな細胞が集まったがんです。非常に進行が早く、転移が起こりやすい特徴があります。
表2 肺がんのタイプ分類と特徴
◎非小細胞肺がん(85〜90%) | ○腺がん | ・肺の奥のほうに発生する ・肺がんのなかでもっとも多く、半数以上を占める |
○扁平上皮がん | ・肺門(肺の入口付近)や、肺の中心部に発生しやすい ・腺がんに次いで多い |
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○大細胞がん | ・肺の奥のほうに発生する ・はっきりとした特徴のない、大きい細胞のがん |
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◎小細胞肺がん(10〜15%) | ・比較的小さながん細胞が密集して広がっている ・がん細胞が増えるスピードが速く、転移しやすい ・肺門や、縦隔(左右の肺の中心にあり、心臓や動静脈血管や気管、食道などが集まる部分)のリンパ節が腫れて見つかることが多い |
図3 肺のイラスト
カテゴリー再発転移のがん治療を知る, 治療法の基礎知識
タグ肺がん
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