補助療法

公開日:2011年02月25日

目次

補助療法とは

現在の標準治療を中心とするがん治療では、患者さんの免疫力、精神力の低下は避けられません。
『がん免疫療法』以外にも、患者さんの免疫力の向上やメンタルケアを目的とした様々な補助療法があります。当サイトでは、科学的な根拠が明確になっており、患者さん1人ひとりに対しオーダーメイドでの処方が確立されている治療法をご紹介します。

温熱療法

がん細胞は正常な細胞より熱に弱い特性を活かし、からだを温めることによってがん細胞にダメージを与える治療法です。がんがある部分を集中的に温める局所温熱療法と、全身を温めるマイルドな温熱療法があります。
からだを温めることにより免疫力を向上させ、がん細胞を攻撃する「リンパ球」や「樹状細胞」の働きを促進する効果もあります。

高濃度ビタミンC点滴療法

ビタミンCは血管に入ると過酸化水素になります。正常な細胞の場合、過酸化水素は中和され無害になりますが、がん細胞は過酸化水素を中和できずに死滅します。このビタミンCの持つ抗がん作用を用いた治療法です。

栄養サポート療法

患者さんの「食欲が無い」「食事がとりにくい」「食べても痩せてしまう」といった症状を改善します。医師や栄養士が患者さん1人ひとりの検診、採血検査の内容をもとに食生活のアドバイスを行ったり、医療用補助食品やサプリメントなどといった栄養補助療法を行います。

がんと栄養について

魚に多く含まれるエイコサペンタエン酸(EPA)は血流改善効果や中性脂肪低下の効果が知られています。それ以上にがんにも良いのではないかという報告があります。

エイコサペンタエン酸(EPA)はがん細胞増殖を抑えるのではないかという細胞実験の報告があります。それ以上にエイコサペンタエン酸(EPA)が治療で重要だと思われる点は、がんによって起こる炎症反応とそれが原因の体重減少(るいそう)を抑えてくれるのではないかということです。
実際の患者さんで効果を調べた報告では、膵臓癌の方にエイコサペンタエン酸(EPA)2.2gを含んだ約600kcal(蛋白32g)の栄養補給を摂ってもらったところ、炎症反応のCRPが低下して体重減少が停止したり体重が増加に転じたりしたという結果があります(下記 イギリスの癌ジャーナル臨床報告)。

その結果に基づいて製品化された栄養機能食品もあります。
プロシュア(アボット社)
http://www.abbott.co.jp/general/nourishment/prosure/

アンチエイジングホルモン療法

がんや、がん治療の副作用などが原因で乱れてしまったホルモンバランスの調整をして、体力の向上や生活の質の改善をおこないます。検査などでホルモンのバランスを調べ、その結果をもとに足りないホルモンについて注射・内服・外用などで補充します。

エステティック療法

がん治療の副作用として起こる患者さんの顔や全身のむくみを改善します。また、フェイシャルケアやボディマッサージなどでメンタルケアをおこない、治療へ前向きに取り組める環境をサポートします。

漢方療法

がんによる痛みや、がん治療の副作用、後遺症などによって低下した患者さんの体力、気力を回復するために。患者さん1人ひとりの症状に応じて適用のある漢方薬を処方します。漢方薬を服用すると食欲、便通、睡眠などのさまざまな症状が改善するため、患者さんの免疫力向上につながります。

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