大腸がんの肺転移「定位放射線治療」適応となるのか?

公開日:2011年10月24日
プロフィール
日本人男性62歳 大腸がん(直腸がん、結腸がん含む) 肺への転移
相談内容
もしも肺への確実な転移がわかった場合適応となるのか、また現在まだ小さく、可能性は高いといわれている状態での治療はできないのか

医師からの回答

放射線治療医
私は放射線腫瘍医ですので定位放射線治療に対する適応を聞かれているものとしてお答えします。この適応は他に病変のない肺、肝の腫瘍で大きさ5cmまで、数は3個までが適応とされています。現実には3cmまでが望ましいです。ですので腸に病気がなく肝転移などもないのでしたら適応と考えてよいと思います。ただし、小さな病変でもかなり大量の放射線が照射されますので症状はほとんどありませんが周囲に放射線肺炎は出来ます。これが2ヶ所あるということは正常の肺がそれだけ障害されることになります。その危険性と現在治療することのメリットを秤にかけることになります。どうしてもと言われるのでしたらまずPET-CTをされて、他に病変がないことを確認されたほうが良いと思います。(柏原先生)
外科医
適応というのは手術の適応でしょうか?
大腸癌の場合、遠隔転移であっても切除可能であれば手術の適応となります。そのためにはその他の病変がないといことを十分に検査した上でということになりますが、完全に切除できれば治癒の可能性が高まります。また手術は侵襲の大きな治療ですので、「疑い」だけでは行いにくいと思います。
しかし大腸癌術後の症例で「転移疑い病変」に対して化学療法を行うことは、通常行われていることです。数か月経過観察というのが本当であれば、やや長いという印象はご本人の感じておられる通りだと思います。積極的にPET-CT等他の検査を行うか、化学療法を行うことが一般的だと思います。(山本先生)
外科医
消化器外科医として回答します。
大腸癌の肺転移は局所再発、他臓器転移が無ければ、十分手術の適応があります。知りたい情報は、上記事項と手術の日時と肺転移が診断された日時です。半年以内であれば手術時既に転移があったとものと判断します(同時性肺転移)ので、まずファーストラインの化学療法を先行します。その後、他の転移が無い事を確認し、肺転移巣の切除を行います。多くの場合、侵襲が少ない胸腔鏡下手術が可能ですので諦めずに治療に取り組んで下さい。ただ、ご質問の適応とは、恐らく、樹状細胞を用いた免疫治療の適応の様な気がします。であれば、現段階での適応はありません。(草野先生)
腫瘍内科医
腫瘍内科医としてご意見申し上げます。
一般的には、今回のケースが転移であろうとなかろうと、いずれにせよ、抗癌剤治療を約半年行い、肺の結節が残存するならばそれを切除することを念頭におくという方法論が最適のように思います。
肺の結節は、抗癌剤で縮小するなら転移と考えられる可能性大ですし、抗癌剤でも大きくなるならいずれにせよ原因究明のために診断的切除を含む精査が必要になります。
今回の情報からは、転移かどうかを化学療法を受けることなくただ待つよりも、積極的に化学療法を受けながら肺の治療手段を考える方がよいように思いました。
主治医の先生の深いお考えもあるでしょうから十分にご相談なさってください。(関先生)
代表理事(総合内科専門医)
総合内科専門医としてまとめさせていただきますと、やはり主治医の先生が転移の可能性が極めて高いと判断されていますので現時点では化学療法を行うことが一般的だと思います。またPET検査などで他の転移がなければ、少なくとも手術適応に関して主治医の先生と是非相談なさってください。免疫療法の適応もありますが、化学療法等との併用が必要であると考えます。(田口先生)