乳がん「主治医から治らないといわれ、抗がん剤の標準治療を進められた。どうしたらいいか。」

公開日:2014年12月30日
プロフィール
42 歳 女性 乳がん 右肺門 肺に続くリンパ節 右腋窩リンパ節 転移
相談内容
診療科目や治療についての質問です。お答えいただける範囲で結構ですので参考にさせていただきたく宜しくお願い申し上げます。

現在の病院で、先生から「治らないので治す気はない」と言われており、その上で抗がん治療の標準治療(パクリタキセル、ハーセプチン、パージェタ)を進められています。ドセタキセル使用で今回転移したことでパクリとのことですが、どちらも同じタキサン系なのに、腫瘍縮小効果があるとは思えないのですが、そういうことはないのでしょうか?
また、様々な副作用を少しでも軽くしたほうが延命になるのではないかと思うのですがそんなことはないのですか?
パクリではなく、ナベルビンではどうかと相談しましたが、この病院では標準治療で決められた用量でしか治療しないとのこと。提携の病院なら治療を受けられるとの話で昨日受診しましたが、そこは乳腺外科がなく腫瘍内科が対応。担当の先生からはナベルビンを使うことはないだろうとのことで、全く話を聴いていただけず標準治療のみの説明でした。

治らないけど数ヶ月延命するために、標準治療しか治療法はないとこいうことなのでしょうか? 乳がんの遠隔転移のファーストラインでナベルビン、ハーセプチン、パージェタを使用することはあり得ないのでしょうか?

今の病状で、乳腺外科のない病院で腫瘍内科のみで治療を受けていいものなのでしょうか?
乳腺専門医の在籍している病院で受けた方がいいのかが分かりません。腫瘍内科の先生は、乳腺外科の先生は手術のみで化学治療は腫瘍内科が主だから専門医がいなくていいとのことでしたが、そういうものなのでしょうか?

全身症状指標(パフォーマンスステータス0~4)
パフォーマンスステータス0・・・無症状で社会活動ができ、制限をうけることなく、発病前と同等にふるまえる。


痛みの状態(フェイススケール0~5)

フェイス1・・・ちょっとだけ痛い。


現在の治療内容
転移が見つかったところで、まだ治療を始めていないです。


主治医の説明
抗がん治療を受けていた乳腺専門クリニックの定期検診で肺の異常が見つかり、肺特有の病気かもしれないということで近隣の総合病院で全身の検査を受けていました。検査の結果、乳がんンの転医と分かりましたが、脳に乳がん転移とは別モノで腫瘍が見つかり、また検査等を行なっていたこともあり、その総合病院の乳腺科に転医したような形になっています。しかし、こちらの病院で治療を受ける気がなく別病院を探しているところです。

※患者様の相談内容はWEB問診票から一部抜粋しております。

医師からの回答

総合癌診断医師
まず、標準治療についてですが、この場合の標準というのは、上、中、下や松、竹、梅、などの良いもの順に並べた中間(並)という意味ではなく、いろいろたくさんの乳がんの人に抗がん剤を使用した結果を、統計・解析したデーターをもとに、最も確率的に適切であると判断された治療法を標準的治療と呼んでいます。普通に使われる標準(並)という意味とは異なります。
次に、がんセンターなどの受診についてですが今回の場合は、まず、がんセンターなどの専門病院で、セカンドオピニオンを受けるのが良いと思います。これは、がん専門病院に転院をしたとしても、もし、治療方針が全く同じであれば、意味がないからです。主治医にセカンドオピニオンのための紹介状を書いてもらい、まず、セカンドオピニオンを受けるのが良いと思います。セカンドオピニオンの結果、担当の医師が転院した方が良いと判断すれば、転院をすることもあるはずです。
詳しくは医師の診察で直接ご相談ください。(森山先生)

外科医
主治医の先生との関係修復は難しいと思われますので、やはり他の施設にセカンドオピニオン(今後の治療の相談)を求めるしかないように思えます。がんの治療は、「治るか、治らないか」ではなく長く付き合いながら延命(寿命をまっとうすることも含まれます)を目的とします。がんは組織型やがんに発現している特殊なタンパクなどにより、適切な抗がん剤が決められます。もちろん副作用は、すべて程度の差はありますので、経過を見ながら治療します。主治医に紹介状をもらえない場合は、事情を話して直接他の病院を受診するしかないでしょう。しかし、もう一度これまでの主治医の先生とよく話し合ってください。詳しくは医師の診察で直接ご相談ください。(草野先生)

※ドクターはWEB問診票に書かれた情報の範囲内で回答しており、実際の診断には直接の診察が必要です。