胸腺がんの肋骨転移「臨床試験の選択は?」

公開日:2011年09月14日
プロフィール
日本人55歳男性 胸腺がん 肋骨への転移
相談内容
主治医に提案された臨床試験を選択したら良いのかどうか?

医師からの回答

放射線治療医
放射線腫瘍医としての意見を述べさせていただきます。胸腺がん、肺転移で痛みを伴っている状況。全体の治療を考えるのでしたら化学療法となりますが効果は少ないと思います。
放射線治療として考えるのは肺転移を伴うのは胸腺がんが血管に浸潤していると考えられますので胸腺そして痛みの原因となる可能性のある胸膜播種病変に放射線治療をすれば、寿命の延長と痛みの軽減は図れると思います。ただこれは病変の進行程度と患者さんの全身状態にもよりますので主治医と御相談下さい。 (柏原先生)
外科医
外科医の立場からの意見を述べます。胸腺腫瘍(がん)の手術適応は、局所に限局した場合にのみ認められます。しかし正確な術前診断は困難な場合が多く、効果は少ないのですが化学療法を先行することもあります。本件の場合明らかな肺転移があり痛みを伴っていますので、残念ながら、第一選択としての手術の適応はありません。
柏原先生の意見と同じことになりますが、主治医の先生とよく相談されて治療に臨むことをお勧めします。また、他の医療機関にセカンドオピニオン(正確にはサードオピニオンになります)を求められてもいいと思います。 (草野先生)
代表理事(総合内科専門医)
まとめさせていただきますと、やはり治験の参加が良いと思います。治験に参加されない場合もしくは終了後には免疫療法の適応の確認も考えられると思います。(総合内科専門医 田口先生)