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免疫抑制細胞を減らしてがんと立ち向かう 医薬品・食品成分の最新研究
取材・文:新井 貴
福岡大学名誉教授 医学博士 永山在明
1962年九州大学医学部医学科卒業。米国ニューヨーク市公衆衛生研究所研究員、九州大学助教授、佐賀医科大学教授、福岡大学教授(微生物・免疫学講座)を経て現在に至る。
はじめに
免疫力の低下が、がんの発生や再発に関係していることが知られている。近年の研究で、この免疫力が低下した状況を作りだす免疫抑制細胞の存在が明らかになってきた。今回は免疫学の権威で、がんに関して基礎から臨床まで幅広く研究をされてきた永山先生に、特に免疫抑制細胞の話を中心にがんと免疫の関係についてお話を伺いました。
がん細胞を叩く“免疫システム”の本当の働き
がん細胞は、健康な人の体内でも毎日のように発生している。それが“がん”と呼ばれる病気の状態にまで成長しないのは、本来、人の体に生まれながらに備わっている“免疫”が、がん細胞を攻撃し、排除してくれているからだ。
この免疫は体内に発生するがん細胞に限らず、体内に侵入するさまざまな病原体に対しても働き、日々、わたしたちの体を病気から守ってくれている。
当然、免疫力が低下すれば病気に罹りやすく、がん細胞もどんどん成長してしまう。逆に、免疫力を上げれば毎日発生するがん細胞を小さいうちに退治できる。このような考えから、多くの人がこれまで免疫力を上げるためにサプリメントの摂取や生活習慣の改善などを行ってきたわけだ。
ところが最近の研究で『単に免疫力を上げるだけでは、がん細胞を攻撃・排除するのには不十分である』ことが分かってきたという。では、免疫力を高めてがん細胞を叩くにはどのようなことが重要になってくるのか。
近年、解明されてきた“免疫とがん細胞の攻防”について、永山在明・福岡大学名誉教授はこう解説する。
「成長するがん細胞に対して、免疫力を上げるだけでは十分な効果を得られない要因のひとつとして、免疫抑制細胞の異常増殖があることが明らかになってきたのです。
免疫抑制細胞には、制御性T細胞(Treg)やMDSC(ミエロイド由来免疫抑制細胞)などが存在し、これらが異常に増殖するとがん細胞の周りをブロックしてしまい、いくら免疫力を高めてもがん細胞に対する攻撃力が弱められてしまうのです」
がん細胞の排除には従来行ってきた“免疫力を高める”ことは、もちろん大事。だが、「免疫抑制細胞に対処し、がん細胞に対する免疫力を上げることが今後の課題となっている」と話す。
がん細胞を叩く!免疫システムの2つのポイント
・免疫の活性化(攻撃力を高める)⇒従来、こればかり重視していた
・免疫抑制細胞を減らす(ブロックの解除)⇒今後、重視される課題
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